ハンドメイドイベント帖

羊毛フェルト作家のイベント出展ガイド

監修:B面(ハンドメイド販売コンサルタント)7分で読めます更新 2026/06/19

羊毛フェルト作品は「触りたい」「かわいい」が一緒に来るアイテムです。写真で伝わりにくい素材感・重さ・温かみが、手に取った瞬間に伝わる。だからイベント向きです。

ただ、羊毛フェルト特有の難しさもあります。「手間がかかっているのに値段が伝わらない」「虫食い・素材についての質問が多くて接客が大変」——そういった声をよく聞きます。このガイドはそこに答えていきます。

1. 羊毛フェルト作品と相性がいいイベント

羊毛フェルトは手に取ってもらうと一気に売れる素材です。「触れる距離で見てもらえる」イベントが一番向いています。

羊毛フェルト作品はオンライン写真より実物の方が断然伝わります。もこもこした質感・立体的なフォルム・色の深みは、手に取って初めて「これが欲しい」になる人が多い。だからこそ、来場者が近づいて手を伸ばせるイベントが向いています。

大規模イベント(ハンドメイドインジャパンフェスなど)は人数が多い分、立ち止まってもらうまでの競争が激しい。地域の中規模マルシェ(100〜300ブース規模)の方が、「丁寧に見てもらえる時間」が作りやすく、羊毛フェルトの良さが伝わりやすいという声が多いです。

  • 地域のクラフトマルシェ・手芸系マルシェ(作家との距離が近い)
  • 雑貨系・インテリア系のイベント(生活に馴染む作品と相性がいい)
  • 動物・ペット系イベント(動物モチーフの羊毛フェルトはここで刺さる)
  • 大規模イベントは集客力がある分、ブースの作り込みがより重要になる

2. ブース設営——「触っていいですか?」が自然に起きる配置

羊毛フェルトの最大の武器は触感。それを封印しないブース作りを。

羊毛フェルト作品を「飾る」だけのブースにしてしまうと、来場者は触っていいのかわからず素通りします。「お手にとってどうぞ」の一言か、「touch me」のポップを前面に置くだけで足が止まる率が変わります。

ディスプレイは立体的に。動物や人物などの立体作品は、正面から顔が見える高さに置く。小物(コースター・ブローチなど)はまとめて並べるより、空間に余白を作って1点1点が目に入るようにする方が高く見えます。

背景布の色は作品の色と被らないものを選ぶと、作品が引き立ちます。白い羊毛フェルトには深いグリーンやネイビーの背景が映えます。

  • 「触っていいですか?」が不要になるよう「お手にとってどうぞ」を前面に
  • 立体作品は顔の高さが正面から見えるよう配置
  • 試し触り用のサンプルを1点用意する(売り物と分けておく)
  • 作品の世界観に合わせた背景布・小道具で雰囲気を統一する
  • 虫食い防止の保管方法をポップで一言添える(購入後の安心感)

3. 価格設定——「高い」と言われても下げない理由

羊毛フェルトの価格に「高い」という反応は、説明不足のサインです。

羊毛フェルトは制作時間が長いわりに、素材費が低く見られがちです。「ウール100g・500円」で作ったなら500円じゃないの?という感覚で来る人がいます。でも実際には、羊毛の選別・刺す時間・形を整える作業まで含めると小さな作品でも数時間かかることがある。

価格の根拠を「制作時間○時間・使用羊毛○g」と書いたポップを1枚置くだけで、「なるほど」と納得して購入する人が増えます。値段を下げる前に、まず「なぜこの値段か」を伝える工夫をしてみてください。

  • 制作時間と素材の手間をポップで1行添える
  • 「一点もの」「手刺し」のような制作プロセスを短く言語化する
  • 安い作品(ブローチ・小物)と高い作品(大型・複雑)を両方置くと単価が上がりやすい
  • 「この子はどのくらいかかりましたか?」の質問に答えられる準備をしておく

4. よくある質問への対応——虫食い・洗い方・耐久性

羊毛フェルト特有の質問は毎回同じ。事前に答えを用意しておくと接客が楽になります。

「虫食いしませんか?」は羊毛フェルト作品のほぼ全員が聞かれる質問です。防虫対策(防虫剤と一緒に保管・定期的な日光消毒など)をポップに書いておくと接客が一気に楽になります。

「洗えますか?」も頻出。ウール素材の特性(縮む・フェルト化が進む)を正直に伝えた上で、「飾る用途なら問題ない」「汚れたらブラシで払う程度」など、実際の扱い方を言葉にしておくと購入後のトラブルが減ります。

  • 虫食い対策(防虫剤・乾燥保存)をポップで案内
  • 洗濯不可・ブラシ手入れ推奨を明記
  • 屋外・水濡れ不可な場合はその旨を伝える
  • 「どこに飾ればいいですか?」への回答例を用意しておく

よくある質問

Q. 羊毛フェルト作品はどのくらいの価格帯が売れやすいですか?

ブローチ・マスコットなどの小物は¥1,500〜¥3,000、手のひらサイズの動物フィギュアは¥3,000〜¥8,000、大型作品は¥10,000以上というのが一般的な相場感です。ただしイベントの客層・地域によって大きく変わります。初めての出展では価格帯の違う作品を複数用意して、どの価格帯が動くか試してみるのがおすすめです。

Q. 羊毛フェルトは屋外イベントでも出展できますか?

出展はできますが、雨・湿気・直射日光には弱いので対策が必要です。雨の日は羊毛が縮んだり形が崩れたりするリスクがあります。ビニールカバーを用意する・ブース全体に屋根があるイベントを選ぶ・雨天時は出展しない判断をするなど、天候リスクを考慮した計画を立てておくことをすすめます。

Q. SNSでの発信と相性のいい見せ方はありますか?

羊毛フェルトは制作過程動画(フェルティングの様子)が再生されやすいジャンルです。イベント前に「何を持っていくか」の作品紹介+制作動画をセットで投稿しておくと、当日わざわざ来てくれる人が増えます。当日のブース写真は背景を整えて撮ると、来場者がシェアしやすくなります。

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